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Population and Labour Force

2-1 世界、大陸及び主要地域の人口(中位推計)

グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-1表 総人口」(p.55)を参照。

20世紀初頭に約15億人であった世界人口は, 1950年以降飛躍的に増加し, 1974年以降は 増加率が低下したものの, 2000年には61億人に達し, 2011年後半に70億人を超えた。

国連が隔年ベースで公表する『世界人口予測』の2012年改訂版(本書の資料出所)による と, 2013年半ばに72億人であった世界人口は, 中位推計で2025年に81億人, 2050年に96億 人に増加し, 2100年には109億人に達する見通しである。

人口増加の大半は発展途上地域で発生し, 2013年の59億人から2050年には82億人に増加 し, 2100年には96億人に達すると予測されている。これは主に15~59歳(16億人)及び60 歳以上(19.9億人)の人口増加によるもので, 15歳以下の人口はほとんど増えない。同じ 期間の先進地域の人口は, 2013年は12.5億人, 2100年は12.8億人とほぼ同水準で推移する。

しかし, 発展途上地域から先進地域への移民規模が, 予測されている2013~2050年は年平 均240万人, 2050~2100年は年平均100万人の水準を下回れば, さらに減少する見通しであ る。

2013~2050年の間の人口増加は, 主にアフリカの出生率の高い国々に加えて, インド, インドネシア, パキスタン, フィリピン及びアメリカなどの人口規模の大きい国に集中し ている。

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60 80 100 120

1950 1980 2000 2014 2025 2050 2100

日本(億人)

大陸、地域(億人)

(年)

■アフリカ ■ラテンアメリカ・カリブ ■北アメリカ

■アジア ■ヨーロッパ ■オセアニア 日本

2人口・ 労働力人口

2-2 人口増加率

グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-2表 人口増加率」(p.56)を参照。

国連の『2012年版世界人口予測』によると, 全世界の人口は, 2005年の65億人から2010 年に69億人, 2025年に81億人, 2050年には96億人に達し, 2010年からの40年間に約27億人増 加すると予測(中位推計)されている。

世界の人口増加率は寿命の伸長に伴って上昇し, 1965~1970年には年率2.07%のピーク に達した。その後, 人口増加の速度は, 主に先進地域における出生率の低下によって減速 した。2005~2010年は1.20%に低下し, 2045~2050年には0.51%まで落ち込むと予測されて いる。

上のグラフをみると, ヨーロッパ地域及び日本の2005~2010年の人口増加率はそれぞれ

0.2%, 0.06%の低水準となっており, その後も徐々に減少して, 2045~2050年にはそれぞれ

-0.22%, -0.55%に低下する見通しである。他方, アジア地域及びラテンアメリカ・カリブ

地域の増加率は低下するものの, 2015年までは1%程度で推移する予測となっている。しか し, これらの地域の少子化のスピードが先進地域よりも急速であることから, 2045~2050 年までに増加率はそれぞれ0.11%, 0.27%に低下すると予測される。今後2050年までの間の 人口増加率が最も高い地域はアフリカ地域で, 2025年までは年率2%, 2045年以降も年率 1%を上回る水準で推移する見通しである。

‐1.0

‐0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

全世界 アフリカ ラテン アメリカ

・カリブ

北アメリカ アジア ヨーロッパ オセアニア 日本

( 年 率 、 % ) 2000~2005 2005~2010 2010~2015 2045~2050(年)

2-3 老年人口比率(65歳以上人口)

グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-5表 老年人口(65歳以上人口)」(p.59)を参照。

出生率の低下と平均寿命の伸長によって高齢化が進展し, 総人口に占める65歳以上の人 口の割合(老年人口比率)が増加している。国連の『2012年版世界人口予測』によると, 全 世界の老年人口比率は, 2015年の8.2%から2050年には15.6%に増加すると予測されてい る。とりわけ先進地域における高齢化の進展が顕著で, 老年人口比率は2015年の17.5%か ら2050年には25.8%へと増加する。とりわけ日本の高齢化は急速で, 2010年に23.0%であ った老年人口比率が, 2050年には36.6%に達する見通しである。2010年, 2025年, 2050年 のいずれの推計でも欧米先進諸国を上回っており, 極めて老年人口比率の高い国になると 予測されている。

他方, 現在は比較的出生率が高い発展途上地域でも, 今後, 高齢化が急速に進展すると 予測されており, 2015年は6.3%に過ぎない老年人口比率が, 2050年には14.0%に達する見 通しである。上のグラフからも, 中国やインドの高齢化が先進諸国より急速であることが わかる。

0 5 10 15 20 25 30 35 40

日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス イタリア 中国 インド

( % ) 1 9 8 0 1 9 9 0 2 0 0 0 2 0 1 0 2 0 1 4 2 0 2 5 2 0 5 0(年)

2人口・ 労働力人口

2-4 65歳以上男性の労働力率

グラフの具体的な数値は下部(参考)欄, 資料出所については, 「第2-11表 性別・年齢階級別人口・労 働力人口・労働力率」(p.67)を参照。

65歳以上男性の労働力率は, 北米, EU諸国では概して低く, 日本, シンガポールなどの アジア地域は欧米諸国より高い水準にある。経済発展の度合いだけではなく, 地域性・国 民性の違いなども反映したものといえるだろう。

EU諸国では, 経済不況や若年失業者の増加により, 1980年代に早期退職制度が定着した ことも高齢者の労働力率が低い一因である。しかし, 近年は, 高齢化の進展により, 社会 保障制度の担い手を確保する必要性から, 高齢者の雇用促進が政策課題となっている。日 本の場合, 他国と異なる点として, 引退すべきであると考えられている年齢が高いことが 挙げられる。高齢者の労働意欲は高く, これが高齢者の労働力率を引き上げているひとつ の要因となっている。

(参考)65歳以上男性の労働力率(%)

日本 アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス イタリア 香港 シンガポール 1985(年) 37.0 15.8 11.8 8.5 5.1 4.2 8.4 26.7 36.7 2013 29.4 23.5 17.7 13.3 7.7 3.1 6.2 13.2 34.9 注: 香港, シンガポールの1985年の数値は65~69歳が対象。

0 10 20 30 40 50

日 本

ア メ リ カ

カ ナ ダ

イ ギ リ ス

ド イ ツ

フ ラ ン ス

イ タ リ ア

香 港

シ ン ガ ポー ル (%)

1 9 8 5 2 0 1 3 (年)

2-5 年齢階級別女性労働力率(2013年)

グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-11表 性別・年齢階級別人口・労働力人口・

労働力率」(p.67)を参照。

女性の年齢階級別労働力率をみると, 日本では20歳代後半から30歳代にかけて比率が落 ち込むいわゆるM字カーブを描いていることが特徴的である。結婚・出産・育児等のため に労働市場からいったん退出し, その後育児が落ち着いた後に再び労働市場に復帰すると いう女性労働者の就労行動の特徴が, M字カーブに反映されている。これはアメリカや ヨーロッパでも1970年代にはみられた現象だが, 今日ではほとんどみられなくなり, 台形 型となっている。しかしながら, 日本においても時系列でみれば, M字カーブの底の位置 の上昇と底にあたる年齢の高齢化が観察される。晩婚・非婚化の進行や共働きの増加など が要因であろう。特に25-29歳における労働力率の上昇が顕著であり, 1975年に42.6%であ ったものが, 2013年には79.0%に上昇している。それ以外の年齢階層の労働力率も全般的 に上昇傾向にある。

(参考)日本の女性労働力率(%)

15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65~(歳) 1975(年) 21.7 66.2 42.6 43.9 54.0 59.9 61.5 57.8 48.8 38.0 15.3 2013 15.6 70.3 79.0 70.1 69.6 73.1 76.1 74.9 66.5 47.4 13.8 資料出所 総務省統計局「労働力調査(長期時系列)」

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

15‐19 20‐24 25‐29 30‐34 35‐39 40‐44 45‐49 50‐54 55‐59 60‐64 65~ (%)

( 歳 )

日本 アメリカ

イギリス ドイツ

フランス スウェーデン

香港 シンガポール

(2013年 ) 労働力人口   2人口・

2-6 就業率

グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-12表 就業率(15~64歳)」(p.76)を参照。

就業率とは, 生産年齢人口(本書では15~64歳とする)に占める就業者の割合である。経 済成長の促進, 高齢化への対応, 社会的統合の強化等を背景にEUは, 就業率の向上──具 体的には, 2020年までにEU全体で75%(20~64歳)に引上げること──を戦略目標に掲げ ている(2013年時点で68.4%)。就業率の向上と失業率の低下は同義のように思われるが, 必ずしもそうではなく, 失業率は労働力人口に占める失業者の割合であり, 失業者が求職 活動を止め, 非労働力化すると低下する。「2-4 65歳以上男性の労働力率(p.52)」で言及 したとおり, EU諸国では高齢者の早期退職を促すことで失業率の引き下げが図られていた が, 就業率という観点からはこうした政策は意味がないことになる。他方, 就業意欲を促 進する政策を採ると, 労働供給を増やすため, 失業率に関しては悪化を招く可能性もある が, 就業率の向上につながる。このように, 就業率を重視する政策上の意味は, 労働需要 の確保のみならず, 仕事と家庭の両立を可能とする環境作りなど, 労働供給面の対策を通 じて, 就業促進を図っていく点にある。

上のグラフをみると, 2013年の日本の就業率は男女計で71.7%と, ドイツ(73.3%)を下 回るが, イギリス(71.3%), アメリカ(67.4%), フランス(64.1%)を上回る水準である。

しかし, 男女別にみると, 日本の男性の就業率は80.8%と, 最高水準であるものの, 女性 は62.4%と低水準である。日本の女性就業率は向上する余地があり, 中途採用機会の拡大, 仕事と家庭の両立支援, 短時間正社員制度の普及などを通じた構造的な問題の解決が求め られている。高齢者, とりわけ男性高齢者の就業率が高いことも日本の大きな特徴として 挙げられる(「第2-13表 性別・年齢階級別人口・就業人口・就業率(p.78)」参照)。

日本

アメリカ イギリス

ドイツ フランス

55 60 65 70 75

1995 '96 '97 '98 '99 2000 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 2010 '11 '12 '13

(%)

(年)

0

1950年 1980 2000 2014 2025 2050 2100

(百万人/millions

全世界 World 2,526 4,449 6,128 7,244 8,083 9,551 10,854

アフリカ Africa 229 478 808 1,138 1,468 2,393 4,185

168 364 526 623 691 782 736

北アメリカ Northen America 172 255 315 358 390 446 513

アジア Asia 1,396 2,634 3,717 4,342 4,749 5,164 4,712

ヨーロッパ Europe 549 695 729 743 741 709 639 オセアニア Oceania 13 23 31 39 45 57 70

(万人/ten thousands

日本 JPN 8,220 11,591 12,571 12,700 12,326 10,833 8,447

アメリカ USA 15,781 23,018 28,459 32,258 35,063 40,085 46,207

カナダ CAN 1,374 2,451 3,070 3,552 3,918 4,523 5,088

イギリス GBR 5,062 5,630 5,895 6,349 6,721 7,313 7,718

ドイツ DEU 7,009 7,917 8,351 8,265 8,087 7,257 5,690

フランス FRA 4,183 5,394 5,921 6,464 6,797 7,321 7,906

イタリア ITA 4,637 5,622 5,699 6,107 6,133 6,001 5,460

スウェーデン SWE 701 831 887 963 1,038 1,193 1,447 ロシア RUS 10,280 13,854 14,676 14,247 13,697 12,090 10,188 中国 CHN 54,378 98,402 128,043 139,378 144,898 138,498 108,563

香港 HKG 197 505 684 726 774 800 688

韓国 KOR 1,921 3,745 4,598 4,951 5,160 5,103 4,055

シンガポール SGP 102 241 392 552 633 706 604 マレーシア MYS 611 1,383 2,342 3,019 3,496 4,211 4,240

タイ THA 2,061 4,737 6,234 6,722 6,790 6,174 4,054

インドネシア IDN 7,259 14,549 20,894 25,281 28,201 32,138 31,530 フィリピン PHL 1,858 4,740 7,765 10,010 11,922 15,712 18,770 インド IND 37,633 69,897 104,226 126,740 141,874 162,005 154,683

ベトナム VNM 2,495 5,490 8,089 9,255 9,981 10,370 8,012

オーストラリア AUS 818 1,471 1,926 2,363 2,692 3,374 4,150 ニュージーランド NZL 191 315 386 455 502 578 619 ブラジル BRA 5,397 12,174 17,450 20,203 21,752 23,112 19,453

UN(2013.6)World Population Prospects: The 2012 Revision

(注) 国連による推計。2014年以降は出生率・死亡率とも中位で推移した場合の予測値。

資料出所

ラテンアメリカ・カリブ Latin America, and the Caribbean

第2-1表 総人口

Table 2-1: Total population

(千人/thousands

2010年 2011 2012 2013 2014 2015 2020

128,057 127,753 127,498 127,247 126,949 126,597 124,100

2025年 2030 2035 2040 2045 2050 2055

120,659 116,618 112,124 107,276 102,210 97,076 91,933 資料出所 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(2012年1月中位推計)

参考表 日本の将来推計人口

Reference table: Population prospects of Japan

2人口・ 労働力人口

(年率/annual percentage change: %)

1950~

1955年 1990~

1995 1995~

2000 2000~

2005 2005~

2010 2010~

2015 2015~

2020 2020~

2025 2045~

2050

全世界 World 1.79 1.52 1.30 1.22 1.20 1.15 1.04 0.93 0.51

アフリカ Africa 2.09 2.57 2.41 2.40 2.47 2.46 2.36 2.24 1.74

ラテンアメリカ・カリブ

2.71 1.77 1.58 1.33 1.16 1.11 0.98 0.86 0.27 北アメリカ

Northern America 1.69 1.05 1.17 0.94 0.94 0.83 0.79 0.74 0.45 アジア Asia 1.94 1.61 1.30 1.18 1.10 1.03 0.88 0.72 0.11 ヨーロッパ Europe 0.99 0.18 -0.02 0.11 0.20 0.08 0.01 -0.07 -0.22 オセアニア Oceania 2.23 1.49 1.44 1.48 1.73 1.42 1.33 1.23 0.82

日本 JPN 1.45 0.36 0.20 0.20 0.06 -0.08 -0.23 -0.34 -0.55

アメリカ USA 1.60 1.04 1.20 0.93 0.92 0.81 0.78 0.73 0.44 カナダ CAN 2.71 1.15 0.94 0.99 1.13 1.00 0.95 0.82 0.49 イギリス GBR 0.22 0.27 0.33 0.45 0.58 0.57 0.54 0.49 0.28

ドイツ DEU 0.44 0.65 0.09 0.08 -0.20 -0.11 -0.17 -0.25 -0.54

フランス FRA 0.72 0.41 0.41 0.74 0.57 0.55 0.48 0.42 0.22

イタリア ITA 0.75 0.05 0.01 0.58 0.62 0.21 0.08 -0.02 -0.16

スウェーデン SWE 0.70 0.62 0.10 0.35 0.77 0.65 0.69 0.68 0.59 ロシア RUS 1.64 0.06 -0.25 -0.39 -0.04 -0.21 -0.30 -0.44 -0.50

中国 CHN 2.00 1.20 0.68 0.58 0.62 0.61 0.44 0.22 -0.42

香港 HKG 4.65 1.18 2.13 0.18 0.44 0.74 0.64 0.51 -0.02

韓国 KOR 1.94 0.77 0.58 0.45 0.60 0.53 0.41 0.33 -0.29

シンガポール SGP 4.90 2.88 2.36 2.75 2.44 2.02 1.50 0.89 0.19 マレーシア MYS 2.77 2.59 2.45 1.97 1.80 1.61 1.39 1.24 0.51

タイ THA 2.76 0.83 1.11 1.01 0.26 0.30 0.14 0.01 -0.66

インドネシア IDN 1.73 1.66 1.47 1.44 1.39 1.21 1.04 0.91 0.26 フィリピン PHL 3.54 2.33 2.19 2.00 1.70 1.71 1.62 1.54 0.85 インド IND 1.66 1.91 1.73 1.57 1.35 1.24 1.08 0.94 0.29

ベトナム VNM 2.54 1.96 1.24 0.98 0.94 0.95 0.77 0.56 -0.12

オーストラリア AUS 2.39 1.17 1.22 1.27 1.76 1.31 1.23 1.13 0.81 ニュージーランド NZL 2.26 1.57 0.97 1.38 1.10 1.02 0.93 0.84 0.43 ブラジル BRA 3.06 1.57 1.50 1.29 0.95 0.85 0.72 0.60 0.02 資料出所 UN(2013.6)World Population Prospects: The 2012 Revision

(注) 国連による推計。2010年以降は出生率・死亡率とも中位で推移した場合の予測値。

Latin America, and the Caribbean

第2-2表 人口増加率

Table 2-2: Population growth rates

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